店主のよしなし帖

「今日から俺は!!」・・・今日まで俺は!!?

「今日から俺は!!」

巷で話題の、賀来賢人主演のこのドラマも、残るところ あと2話だそう。

私の友人の子ども(小学生低学年~中学生くらい)までに、大人気らしいです。

思えばあのテイストも、今は昔・・・全盛期は80年代位でしょうか??・・・

 

なんて会話に耳をそば立てていたオーナーが、、

数日後、こんなものを持ってきました。

今日から俺は!ばりの長ラン

オーナー「これは俺が、中坊のころ、何着もの試行錯誤の末、たどりついた一着なんや。」

私「・・・はあ、中学生ですか。」

オーナー「年の離れた弟の為に残しといたったんやけど、趣味が合わんとか言うて、しまい込んでたらしい~ で、時空を超えて再登場!!」

私「私の頃の制服はどこもブレザーだったので、本物の学ランって初めて見ました~ って、なんかやけに派手ですね」

オーナー「ちゃうちゃう! これは“長ラン”っちゅうねや‼」

私「あー、確かに、裾長いですね。着てみてもいいですか。」

はい、ドン。

今日から俺は!ばりの長ラン

そしてオーナーの‟長ラン”トークは続く

オーナー「長ランってのはな、長すぎてもあかんねや。この長さが絶妙なん。長さだけ競うんやったら、もう一発長いので“洋ラン”ちゅうのも作ったけど、あれは長すぎて、自転車の車輪にかかったり、動き回るたびにバタつくし・・・」

私「長ラン、洋ラン、花の名前みたいですね。」

オーナー「何より、いざ!という時に邪魔になるねんなー」

私「(いざ・・・(-“-))」

 

オーナー「昨今の“インスタ映え”とかメモリアル撮影用の衣装じゃないんやで、“普段使い!”。これやないとダサい!」

私「え、この長さで普通に登校ですか。やんちゃですね~」

オーナー「ポイントは長さだけちゃうで。まずは—…」

 

マツコも知らない“長ラン”の世界・・

オーナー「まず襟高や。高いほうがかっこええねん。一度高さがエスカレートして8cm以上の襟をつくったら、」

私「8cm!!」

オーナー「したらな、首が回らんと、エミューみたいになってしもて。笑」

今日から俺は!ばりの長ラン

確かに・・・

オーナー「あとな、普通学ラン、シングルやのに、これは特注でダブルやねん。これもこの微妙な幅がシブいねん。」

私「ほんとだ。突っ込みどころが多すぎてダブルに気付きませんでした」

オーナー「そうそう、袖幅は20cm以上に、ボタンは4つ以上な、あ、これは5つボタンやったな。」

私「エルビスプレスリーみたいっすね。」

オーナー「あと、生地はサージで裏地は総裏やないとあかんで、ソ・ウ・ウ・ラ!」

 

サージ [1] 【serge】

梳毛糸そもうし)の綾(あや)織り服地。綾目が緯(よこ)糸に対して45度の角度現れる学生服などにする。綿・絹・ナイロン製のものもある。weblio辞書より

 

総裏(読み)ソウウラ そう‐うら【総裏】

衣服の身頃(みごろ)・袖などの全体に裏布をつけること。また、そのように仕立てた衣服。(デジタル大辞泉の解説)

 

私「これは赤のサテンのソウウラってことですね」

 

おお・・・浪子

長ラン解説

名前からも昭和を感じさせます。笑

オーナー「ボンタンもハイウエストにスリータックや。モモ幅40cm以上な。裾の折り返しは、5cm以上でね。そう言って仕立て屋に全部注文するんや。」

私「ボンタン・・・一瞬アメかと思いました。ズボンの事ですね。」

オーナー「裾の細いタイプのボンタンもあるんやけど、あれは“中ラン”の時用な。“長ラン”には似合わんで。」

私「中ラン・・・もう説明はいいです。」

 

ヤンキー中学生の要望にも柔軟に対応してくれる仕立て屋さんに感服。

そして「今日から俺は!」って、ホンマの世界やったのかー。いや、もはや「今日から俺は!」越えしてしまっているなあと、長ランの裏地に泳ぐ立派な鯉の刺繍を眺めていると

 

オーナー「それより、俺が初めて乗った愛車の話したろか??

俺のケンメリはノーサス、ツリ目のソレタコ&デュアルでバリバリよー」

と矢沢風に意気揚々と語るオーナーであったが、私にはもはや暗号にしか聞こえず・・・

 

面倒くさいので、また次回に~

 

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