「作品を作るにあたってのこだわりは?」
➖「僕、永井荷風になりたくてね。」
佐藤 煒水(Isui Sato)
『書と篆刻』
拓本に合わせた書、篆刻、一字書、オリジナル一点物グッズ
2017/5/22(月)〜5/28(日) 11:00〜17:00 (最終日のみ19:00まで)
アーティスト佐藤 煒水氏について、ご紹介します。
【プロフィール】
(書歴)
昭和63年 文部大臣賞 日本書芸美術院
平成元年 準大賞 産経国際書会
平成4年 大蔵大臣賞 大蔵美術展
平成7年 京都府知事賞 水明書道展
平成13年 産経国際大賞 産経国際書会
京展入選 23回
大ベテランの先生でありながら、佐藤氏は、見出しに前述の通り大層気さくな人柄だ。
今回の展示にあたって、インタビューとして作品を作る上での思いやこだわり、モットーなどが聞きたかった。間髪入れず返ってきた返事は ”僕、永井荷風になりたくてね”
で、あった。
意味がわからずきょとんとする私に、さらに続けて永井荷風の写真(なんとパスケースに入れて持ち歩いておられた!)を見せてくれた。
それがこちら。
「http://kamaken.jugem.jp/?eid=1358より」
有名な話、永井荷風は浅草のストリッパーをこよなく愛したという。この写真は、文化勲章を受章した際にストリッパーの女性たちが祝福をしてくれた時の一枚。
誤解の無いように言っておくと、決して女色の先生なわけではなく、永井荷風に共感するあまり、この写真を持ち歩いているという。
作家 永井荷風と佐藤氏
永井荷風の、作家としての才能は素晴らしい。
それが世に認められ慶大教授という肩書きを持ち、有名な作家を数々育て、文化勲章まで受章した。
しかし、最後まで文化勲章の受章を拒み続け、長いものに巻かれることなく自分独自の美学を貫きとおし、どんなに「お偉いさん」になっても、こうして堂々とストリップに通う。
世に屈することなく誰になんと言われようとも自分の美学を貫きとおす。
瘋癲(ふうてん)老人(直訳すると、変なおじいさん)、でも文化勲章受章。
それが、佐藤氏にとって”格好いい”ポイントなのだろうと思う。
後から福島会津出身とお聞きして、芸術家魂というか、なんとなくそれが納得できた。
自分は書道家でもなく篆刻家でもない。書も漢詩も画も篆刻もできる文人でありたい。
氏は常にそう言う。なんて向上心があり謙虚な方かと、頭がさがる。
書でも篆刻でも、活躍しているにもかかわらず、佐藤氏の目標は常に新しい。
今回の展示でも、「いわゆる書道作品」より、デッドストックの拓本に書と篆刻を合わせたもの、名物裂を使用した軸、洋間に合う額、などいろいろな人が見て楽しめるものが並ぶ。
それだけでなく、フラッと道を歩いている人が手に取れるようにと、氏の書き下ろしの漆塗りのコースターや冷蔵庫に貼り付けるようの漆塗りのマグネット、お皿、一点ものの手作り折本など、バラエティに富む。
どれもこれも「楽しい」作品ばかり。
気に入った方は、超レア物な、作品であり使える小物でもある「佐藤煒水グッズ」を持ち帰っていただき、現代の文人のエッセンスを是非感じていただきたい。